パッション


「このホルモンだ!」



『肉はどこから?』

『このマルチョウ、すっごい太さだけどどうして?』

『肉にこだわりはあるんですか?』

 

こうしたコミュニケーションをお客様と取らせて頂くことがあります。

 

僕らのキャッチコピー

 

専門店だからあります。

こだわるから新鮮です。

ホルモンの「おいしい」に自信があります。

 

にもあるように、こだわりを持って提供しております。

 

このビジネスの基本、肉・ホルモンとの出会いは、最初は、やはり僕のルーツである祖父の焼肉屋の関係からのスタートでした。

 

まずは祖父が30年頼りにした埼玉県の畜産会社を訪ねました。 そして、僕も顔見知りであった方々に肉の仕入れについて、イチからレクチャーを頂き、肉・ホルモンの取引へのきっかけをつかみました。

 

実際、そこの指導の下、オープンまでの数か月、毎週毎週、僕の自宅にて社員総出で肉の切り方、内臓の処理の仕方、味付けのコツ、焼き加減、保存の仕方など多岐にわたり勉強を重ねました。 朝から晩まで、手や足が動かなくなるまで、ひたすらの作業の連続が数カ月に及びました。

 

当初は、ここまで良くしてもらっている畜産会社との付き合いでビジネスをスタートする予定でしたが、東京に出店を進めていた僕らがその会社と付き合うには、肉やホルモンを宅急便で宅配してもらうしか手立てがなかったのです。

 

肉の宅配はあまり好ましくありません。宅配便の場合途中の取り扱いがブラックボックスに入ってしまうため、鮮度や保存状態に問題が出る場合がありえるのです。

 

そのため、お世話になりつつも、その会社と協議の結果、他の肉の卸先を探すことになりました。

 

某有名焼肉店が取引する食肉卸3社と交渉を進めました。また、一方で、芝浦の食肉市場に直接乗り込み、いくつかの卸会社とも話をしたこともありました。

 

しかし、価格面や納品状況などを考えると、数々の検討先との取引につなげるまでには至りませんでした。

 

やはり、専門店として、鮮度がよく、保存状態もよく、バラエティに富んだ肉・ホルモンを適切に手に入れない限り、自分たちのビジネスをスタートしてはならないという想いが強くありました。

 

 

そんなときにある方の紹介で出会ったのが、ある食肉卸の社長でした。

 

初めて、その社長にお会いしたときに 『あ、この社長ならば取引ができるかもしれない!』という直感を得ました。

 

それは、その社長が

 

『とにかく、一度食肉センターを見に来なさい。

そして、”それ”をよく自分で見るんだ。話はそれからだ!!』

 

とおっしゃった時でした。数か月間、厳選された5社以上会社との交渉の後の土壇場での出会いでした。すでにオープンまでは1か月を切っているときでした。

 

その社長にお会いした翌週、無理を言って、すぐに群馬県の食肉センターを訪れました。

 

今までのいくつかの食肉センターを訪れていたつもりの僕らのチームが、そのセンターでは驚愕の時間を過ごすことになりました。

 

詳細はお話できないのですが、数千頭単位の牛や豚が食べ物へと変わる瞬間をこの目で見ることになりました。ただ、ひたすらにです。

 

日本の焼肉屋・ホルモン屋さんの数は相当数に上りますが、僕らのチームほどの所謂、“生き物が食べ物に変わる瞬間”までを経験してスタートした方はそういらっしゃらないことと思います。

 

”いきものがたべもの”に変わる瞬間を何時間も何時間もただただ茫然としながらも見学をさせて頂きました。

 

そこでは、肉のことから飛躍して、”いきものとは?”ということまでも真剣に考えることになりました。そのくらい、さまざまなことを考えさせられた貴重な時間でした。

 

少し飛躍することになるかもしれませんが、その中でも3つの気づきを思うにいたり

ました。

 

ひとつは、食物としてわれわれが毎日口にするものへのリスペクトです。

 

わかっていたつもりではありますが、やはり、われわれがスーパーやレストランで目にし、口にするものは、命あるものを人間のエゴで食べ物としてしているということです。

これは、どうしても、食べ物になってから考えても、わからないことです。 このプロセスをどのように考えるかは人それぞれですが、僕らのチームはただひたすらに、『食べ物への感謝』という気持ちを今まで以上に強くもつに至りました。

 

 

ふたつめは、

 

そこで働く方々へのリスペクトです。単なる肉体労働ということでは終わらせることができない、心身ともに大変な仕事です。 仕事に良い悪いは無いですし、職業選択の自由があるのも事実であり、その場で働く方々も選択しているということは事実です。 しかし、我々はやはり、彼らに対しても『感謝』の念を深く感じました。

 

そして、最後にビジネスとしてはもっとも大切な気づきですが

 

その食肉センターの適切な処理方法、鮮度維持への執念でした。 繰り返しになりますが、ホルモンは鮮度が命です。もっと言ってしまえば、鮮度が良くなければ、口にすることすらできません。 その食肉センターの保存方法については細かく申し上げることはできないのですが、非常に鮮度にこだわっているように思えました。一言でいえば、気遣いとスピードです。 私も日本中の食肉センターを回ったとまでは言えませんが、その処理方法は適切であると判断をしました。

 

このような経験を踏まえ、先方の社長や営業部長とよくコミュニケーションをとった結果、この食肉卸の会社からの最高の肉やホルモンを入荷することを決めました。 この目で見たホルモンは、今まで自分が食べたきたホルモンの中で最高のレベルであると確信をもてました。

 

本当に分厚い雲の隙間から光がさす心地でした。ここまでこだわって肉・ホルモンを探してきてよかった!と純粋に思えました。

 

埼玉の食肉会社からスタートした肉・内臓業者さん探しも数か月・5社以上の会社との交渉を経て、遂に、ここで終結を迎えました。

 

おかげさまでオープン以来、多くのお客様より、ホルモンや肉がうまい!とおっしゃって頂けるのは、このような長いプロセスから生まれたのでした。

 

今でも、牛や豚、食肉センターで働く皆さん、鮮度にこだわった食肉卸会社さんには心から感謝しております。

 

そして僕らができることは一つです。
その想いをうけとめ、僕らができる価値を加えて、お客様に付加価値の高い商品を提供することです。

 

僕らはお約束いたします。
僕らが絶対に納得するクオリティの肉・ホルモンのみを提供し続けることを。

 

代表

李朗